社会的価値の進化と
深化

社会的価値、
対応する社会価値

INA新建築研究所は、社会課題を意識した建築計画や設計を通じて、
建物の社会的価値を進化・深化させていきます。

川口栄町3丁目銀座地区第一種市街地再開発事業
(樹モールプラザ・プラウドタワー川口クロス)

埼玉県川口市(2023年) 
施工:前田建設・埼和興産JV
RC-S-28/2 延66,571m2

本プロジェクトは、地域経済活性化、防災力強化、環境 施設は、
居住環境の向上を目指した再開発事業です。 医療 保育所を中心とした低層部「樹モールプラザ」 と、高層部の分譲住宅「プラウドタワー川口クロス」で構成されています。 1階には生活密着 型店舗や地元テナントを配置し、市道を廃止して大型街区化したうえで敷地内通路や2階テラスを設けることで既存商店街との接続を高め、共存共栄を目指しながら地域全体の回遊性やコミュニティ交流を促します。 加えて制振構造の採用や認定低炭素住宅の取得により高い防災性能と居住環境を両立し、大規模災害時には約90人の帰宅困難者を受け入れる機能も備えています。 これらの取り組みによって 住環境と既存商店街の調和を図り、地域の接続可能な発展と魅力向上に貢献しています。

川口栄町3丁目銀座地区第一種市街地再開発事業(樹モールプラザ・プラウドタワー川口クロス)の外観写真。防災性と地域商店街との共存を実現した複合施設。埼玉県川口市、2023年竣工。

ホテルインディゴ軽井沢

長野県軽井沢町 (2021年)
施工: 北野建設
RC-W-2/1 延8,912m2
ウッドデザイン賞 ライフスタイル部門
建築・空間分野

155室からなる3つの客室棟、 ロビー棟、 ダイニング棟、 スパ棟のパブリック施設を、豊かなランドスケープに溶け込むように配置しました。 建築の架構計画には軽井沢の森の木立を想起させる木構造を採用し、 利用者に木のもつ温かさと力強さを感じさせるとともに、 約80%に地域産カラマツを使用することでCO2削減と地域貢献を図っています。

木立に囲まれた自然と調和するホテルインディゴ軽井沢の外観とロビー。地域産カラマツを活用した木構造でウッドデザイン賞受賞。長野県軽井沢町、2021年竣工。

高槻市安満遺跡公園パーク
センター

大阪府高槻市 (2018年) 施工:大鉄工業
S-1/0 延2,090m2
おおさか環境にやさしい建築賞
商業施設その他部門賞

安満遺跡公園は、 約2500年前 (弥生時代)の貴重な遺跡を保護し、 後世へ継承するために整備された公園です。「市民ととも に育てつづける」をコンセプトに、時代やニーズに合わせて成長する新たな高槻のシンボルを目指し、 公園で活動を行いたい市 民メンバーを募集し、 市民参加型のハーフメイド公園として計画されました。 官民連携による緑のオープンスペースは、街なか の贅沢な緑空間としてにぎわいを生み出し、その中心施設であるパークセンターは活動・防災・憩いの拠点となるなど、 多面的 な役割を担います。 日本のはじまり、 高槻にふさわしい歴史と自然を活かした本公園は、まさに高槻市のセントラルパークとし て新たな時代を築き、シンボルとしての地位を確立しました。 貴重な遺跡と都市のにぎわいが融合するこの場所で、多世代が 集い、未来へと受け継がれる新たな魅力を創出しています。

弥生時代の遺跡を保護・活用する高槻市安満遺跡公園パークセンターの全景と施設外観。市民参加型の緑のオープンスペースで、防災・活動・憩いの拠点として整備。大阪府高槻市、2018年竣工。

立佞武多の館

青森県五所川原市
(2004年竣工、
2026年改修工事完了予定)
施工: 鹿島 S-7/1 延7,591m2

「立佞武多 (たちねぶた) の館」は、高さ約23m、重さ約19tの巨大な立佞武多を3基展示し、8月のお祭りは館から立佞武多が出陣す るなど、 通年で迫力を体感できる文化施設として2004年にINAの設計によって開館しました。 立佞武多製作所やお囃子練習室を併 設し、郷土の伝統文化の保存と継承、 通年観光の推進、 空洞化した中心市街地の再活性化に寄与する地域のシンボルです。 開館から 20年が経過し老朽化が目立ったため、2025年にINAの改修設計による大規模改修工事が始まり、修繕だけでなく未就学児の遊び 場や中高生向けスペースなど、 世代を超えた市民交流の場を整備して2026年8月にリニューアルオープンする予定です。 こうした改修により今後も「伝武多の文化を支える重要な観光として、国内外からの来訪者を迎え続けることが期待されています。

青森県五所川原市にある立佞武多の館の外観と館内展示風景。高さ約23mの立佞武多を通年展示する文化観光施設で、2004年竣工、2026年に改修リニューアル予定。